[癒し]慢性疲労!? 朝からやる気でない原因

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何か朝からやる気が出ない日ってありませんか? 在宅勤務が続いて生活リズムが変わったことで意図せずに負のルーチンに入ってしまっている人がいるようです。

「脳」と「体」と「心」に疲労がたまっていませんか?

脳疲労

情報過多で脳に負荷がかかりすぎて、文字通り脳が疲労している状態です。

脳の三層構造
脳疲労には大脳の中でも、言語や理論を理解する知性の部分「大脳皮質」と本能的な欲求や感情を司る「大脳辺縁系」、そして、その2つから指示を受ける脳幹がかかわっています。

副腎疲労

副腎からのホルモン分泌が乱れて心身に影響がでる状態です。

副腎疲労
副腎は腎臓の上にある小さな臓器で、抗ストレスホルモンを分泌しています。ストレスで副腎が疲弊してくるとホルモンの分泌が悪くなりストレスに対処できなくなり、慢性疲労やうつなどの症状が出ます。これが、「副腎疲労症候群」です。

心理的疲労

内的、外的さまざまな心理的ストレスが通常生活に影響している状態です。

心理的疲労
仕事や人間関係のトラブルに疲れた。漠然とした将来への不安。自分を変えたいがその方法が分からない。生きる意味や目的を見失ってしまった。など、心理的負荷により心が疲れて、うつの症状が現れます。

症状

脳疲労
・やる気がでない
・眠れない
・疲れが取れない
・過食

副腎疲労
・低血圧、たちくらみ
・低血糖、集中力低下
・抗酸化作用
・生理不順、性欲低下

心理的疲労
・気持ちが落ち込む
・将来への不安

・うつ症状

原因

脳疲労
・ストレス
・睡眠不足
・情報過多

忙しく働きづめのとき、本当は休みたいと思っても、なかなか休めず働かないといけないことがありませんか?このとき、大脳辺縁系の「休みたい」という情報を大脳皮質は受け付けず、「働かないといけない」と指令を出して、相互の情報交換がうまくいかなくなり、脳幹が矛盾した指令を受けることになります。
このような状況が継続されると自律神経、五感の機能が低下し、不眠や過食など心身の健康に大きな影響がでます。このご時世、脳疲労が全くない人は少ないと思います。うまく発散して溜め込まないことが重要です。脳疲労は副腎疲労にも影響します。

副腎疲労
・ストレス
・睡眠不足
・栄養不足

高いストレスが続くと副腎が疲弊してホルモンの分泌が悪くなり、さまざまな困った症状が起こります。代表的なホルモンは抗ストレスホルモン ” コルチゾール ” です。コルチゾールの分泌過多は、ストレスから身を守ろうとして起きる現象ですが、長期的なストレスにさらされることで、脳の海馬を委縮させるそうです。さらにコルチゾールの分泌は、免疫系・中枢神経系・代謝系など、身体のさまざまな機能に影響を及ぼします。睡眠不足も副腎の疲労を引き起こします。またビタミンC、ビタミンB,マグネシウムなどの栄養不足はホルモン生成が少なくなり、ストレスに弱くなってしまいます。分泌のバランスが重要です。

心理的疲労
・ストレス
  ・外的要因
  ・内的要因

心理的疲労は過度なストレスにより蓄積されます。ストレスとは、刺激による緊張状態のことです。刺激には、いくつかの種類があります。人間関係や仕事が忙しいなどの社会的要因、天候や騒音などの環境変化 =外的要因と、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因=内的要因。日常の中で起こる様々な外的、内的要因が、ストレスの原因になるのです。何がトリガーになるのかは人それぞれ違うと思いますが、リモートワークや自粛生活で環境変化があったことが、そのトリガーになっている場合があります。

対処法

つきなみですが、重要なのは 「良い睡眠」「良い食事」「適度な運動」です。
全くストレスが無い状態にはなりません。なので、いかにストレスをため込まずに解消できるか、そして多少のストレスに負けない耐性をつけるかがポイントになると思います。

良い睡眠
睡眠についての研究や報告書はたくさん出ています。その中で筆者が重要だと思う「良い睡眠」を確保するためのポイントは大きく二つあります。
1)入眠を妨げない
脳が活動すると脳内にアデノシンが増えます。アデノシンは脳を活性化させるヒスタミンの分泌を抑制します。これによって眠気が起こります。一日働いて疲れた脳を休ませるための重要で理にかなったサイクルです。ただ、カフェインを摂取すると、アデノシンの作用が抑制されます。つまり、ヒスタミンの分泌が十分に抑えられなくなり入眠を妨げます。もう一つドーパミンも脳を活性化させます。やる気のもとになるドーパミンは昼間は大歓迎ですが、寝る前にいろいろ考えてしまうと、眠れなくなってしまいます。コーヒーを飲みながら、深夜までパソコンに向かうのは控えた方がよさそうです。
2)睡眠のリズム
人間は体内時計があり約25時間の周期を持っています。1日は24時間なので1時間のずれがあります。この生体リズム=概日リズムの調整作用をメラトニンというホルモンが持っています。メラトニンは覚醒と睡眠を切り替えて自然な眠りを促す作用があり、睡眠ホルモンとも呼ばれています。明るい光によってメラトニンの分泌は抑制されるため、日中にはメラトニン分泌が低く、夜間に分泌量が十数倍に増加する明瞭な日内変動が生じます。ただ、夜間でも明るい光の元にいるとメラトニン分泌は抑制されてしまいます。
リモートワークで出勤が減り、無意識でしたが毎朝日光を浴びる機会も減りました。意識的に毎朝、日光に出て日光を浴び概日リズムを整えることが必要そうです。

良い食事
脳も副腎もホルモン生成のための栄養が必要です。
1)トリプトファン
睡眠ホルモンであるメラトニンはセロトニンを原料として合成されます。セレトニンの原料は体内では生成されないため食事で摂取する必要があります。その栄養分は「トリプトファン」です。トリプトファンの櫃摂取量は体重1kgあたり2㎎です。体重50㎏で100㎎が必要です。100g当たりのが含有量が多い食材は、カツオ310㎎、豚ロース280㎎、マグロの赤身270㎎、鶏むね肉270㎎、大豆製品、米、玄米にも含まれています。バナナも良いようです。ただ、動物性たんぱく質に含まれるBCAAというアミノ酸はトリプトファンを脳に取り込みにくくするため、炭水化物、ビタミンB6と合わせて摂取すると良いようです。
しっかりバランスよく食べることが重要ですね。
2)ビタミンB群とミネラル
ホルモンの生産過程で大量に消費されるビタミンB群は、副腎疲労の人が不足しやすい栄養素です。玄米や豚肉、卵、貝類や海藻類がお勧めです。特にビタミンBの一種である葉酸は、造血作用や、細胞をつくるために必要な成分なので、貝類やうなぎ、緑黄色野菜を積極的にとると良いようです。また、副腎が疲れている人が不足しやすいのがミネラル類です。副腎疲労の人は腸に不調を抱えていることが多いため、腸でのミネラルの吸収がうまくいかずに不足しやすいため、副腎の働きに欠かせないナトリウムやカリウム、新陳代謝を良くして免疫を調整する亜鉛、ホルモン代謝に必要な酵素を助けるマグネシウム、イライラ解消に良いカルシウムなどを摂取するために海に生息するミネラル豊富な貝類、海藻類を積極的に摂取しましょう。

適度な運動
脳がストレスを感じると、副腎からコルチゾールが分泌されます。慢性的なストレスが続くと脳の買い場が委縮しコルチゾールを抑制できなくなってしまいます。この状態を解消するには運動が有効です。運動すると体に負荷がかかり、ほかのストレスがかかったときと同じようにコルチゾールが分泌されます。しかし、運動が終わると、分泌量は正常に減少します。つまり、コルチゾールの「分泌→減少」の正しいサイクルを、運動によって取り戻すことができるのです。さらに、定期的な運動を続けると、コルチゾールの分泌量そのものが徐々に減っていきます。それによって、運動以外のストレスにも体が過剰反応しなくなるのです。運動の効果はそれだけではありません。筋肉中には「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンが存在します。この物質は、ストレスに関わると考えられているキヌレニンという物質を無害化してくれるもの。さらにセロトニンは、興奮の要因となるノルアドレナリンやドーパミンの作用を和らげ、不安を解消し、ポジティブな気分をもたらしてくれる効果もあります。セロトニンを増やすには、ダンスやジョギングなどのリズム運動、光を浴びることなどが有効です。また、セロトニンは筋肉中の物質ですから、筋肉トレーニングでも増強できると考えられます。
心拍数が上がりドキドキすることに慣れておくと、不安や緊張で上がる心拍数に体が過剰反応しなくなります。「ドキドキする=運動後のように気分が爽快になる」と体が覚えるのです。そのためにも、短時間を数回、少し負荷をかけた運動を継続してみましょう。

疲れた時にたまにはマッサージも良いですね。

Source
厚生労働省 メラトニン
副腎疲労・慢性疲労・うつ症状 自然治療外来
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副腎疲労症候群
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