低温調理器で野菜の調理にチャレンジしてみました。
試してみたのは、
1.調理済みのおでんの味がさらに染み込むか?
2.調理済みのもつ煮に、新しく大根と里芋を追加して味がきちんと染み込むか?
この二つです。
野菜に味が染み込んでいく過程には植物の細胞壁に含まれる「ペクチン」が大きく関係しています。このペクチンは50℃~60℃でいったん硬くなり、その後、80℃~90℃で柔らかくなります。そして味が良く染み込むのは90℃~100℃と言われています。味の染み込み優先で90℃~100℃で煮ると煮崩れが起こってしまいます。そこで低温調理器を使って、煮崩れせずに、調理済み「おでん」の味がさらに染み込むのか、また「もつ煮込み」に新しい野菜を足して、味がどれくらい染み込むのかをみてみました。
「おでん」は成功でした。「紀文のおでん」はもともとおいしいのですが、さらなる味シミを目指して、低温調理器の80℃で15分と30分の2パターンで加熱してみました。どちらも煮崩れもなく、味もしっかり染み込んでいました。30分の方がより味がしっかりしているように感じました。
次回は「たまご」を追加してみたいと思います。半熟の味シミたまごが食べたい。低温調理だけでは難しそうなので、まず半熟卵を作って、「味シミおでんたまご」の低温調理でチャレンジしたいと思います。こうご期待!!
「もつ煮」は、まだ成功していません。2回トライして2回ともイマイチでした。「丸善のもつ煮込み」は美味しいのですが、筆者の調理手順に問題があります。
1回目:ダイコンを食べやすい大きさにして「生」で「もつ煮込み」と一緒に80℃で90分間、低温調理。 味は染み込みましたが、食感が硬め。もともと「もつ煮」に入っている野菜たちの荷崩れはなく、見た目はOKでした。
2回目:今度は「下茹でしたダイコン」と「冷凍サトイモ」を同じように80℃で90分間、低温調理してみました。ダイコンは合格。サトイモは硬く、味シミもイマイチでした。残念。
【まとめ:野菜の80℃、90分の低温真空調理 】
1.この条件では野菜の食感はあまり変化しない
① 煮崩れはしない
② 煮込み感 (柔らかく)はでない
2.調理時間と味の染み込みは関連している
① 長く調理するとよく味が染み込む
② 加熱した後に冷めていく過程でも味が染み込む
3.美味しく調理するためには
① 野菜は下調理して、食感は整えておく
② 低温調理でゆっくりと味を染み込ませていく
低温調理のメリットのひとつは少ない調味料で味や香りが染み込むことです。
減塩や風味付けなどを工夫して、お気に入りの料理を編み出したいと思います。
筆者が使っている低温調理器です。ご参考に。